06
11月

ピアノという楽器


今年も残すところわずかとなりました。12月の頭に、旧友からお声がけをいただいた本番を控えています。

昨日は本番まで2回あるうちの1回目のリハーサルでした。

バンドメンバーは、ヴァイオリン、サックス兼パーカッション、ピアノの私の三人です。

アレンジャーである(本来のこのユニットのピアニスト)方のスタジオに伺いましたが、

グランドピアノは今年のショパンコンクールでもとても人気のあったファツィオリでした。

ピアノをはじめアコースティックな楽器は、その楽器年齢も含めて個体差も大きいのが特徴です。

私が弾かせていただいたそのファツィオリは、まだ若い楽器のようでしたが

持ち主の方が大切に弾きこまれていて、その素晴らしいタッチと音色に大変感動しました。

この楽器だったら弾き手は何も言い訳ができないなと頭を垂れる思いと同時に、

弾かせていただいて本当に幸せな気持ちになりました。貴重な経験をさせていただきました。

いつまでも弾いていたいと思える楽器にはなかなか出逢う機会はありません。

大学時代に学校にいくつかあったスタインウェイのフルコンは年季の入った楽器で

鍵盤が軽やかでコントロールの難しい楽器でした。名器たちだったはずですが、

どうしても「試験で弾く楽器」のイメージが強く弾いていて幸せとは思えなかったのは、ちょっと残念です。