06
7月

ピアノとは

ピアノという楽器は本当によく出来ています。例えばグランドピアノは、実際に目にする鍵盤のはるか何倍も
楽器の中に長く長く鍵盤が続いています。ですから、きちんとしたタッチでないと楽器が鳴りません。でも逆にきちんとしたタッチがあれば、いかようにも音色を作って弾くことができます。張られている弦は、総計何トンもの力で引っ張りあっています。この引っ張りあった弦によって、アコースティックの楽器は「倍音」が鳴ります。これは、「ド」の音を弾いた時に、「ド」だけではなくたくさんの音(弦)が実際に鳴っているということです。倍音列については長くなりますので割愛しますが、グランドピアノだと、この倍音の実験もできます。私たちは日常、この倍音も無意識のうちに「響き」として聴いています。電子ピアノも最近は本当に素晴らしい進化を遂げましたね。でも基本的には、アコースティックのピアノとは別のものだということをイメージして弾かれることが、大事かと思います。ボリュームの加減がボタンでできてしまう事、倍音は鳴っていないという事、等々。アコースティックピアノは、指だけで弾くのではなく全身の筋肉を使わなければ、本当の意味での大きな音も小さな音も鳴りません。ピアニストはアスリートでもあります。電子ピアノは私も持っておりますが、演奏するときは常に、実際のピアノをイメージしながら弾くことを何よりも心がけるようにしております。