20
2月

お雛様

今年も、スタジオにお雛様をお迎えしました。私が小学校4〜5年の頃、母に買ってもらったものです。7段飾りでしたが、数年前にお内裏雛を残して、全てお焚き上げに出しました。五人囃しの楽器だけ残して一緒に飾っています。母の思い出といえば、ここ数ヶ月、今までの数々のコンサートのビデオをBlu-rayにダビングしていますが、その半分以上は亡母が撮ってくれたものです。今見返すと、そのどれもがなんと愛想のない演奏だったかと反省しきりです。20代、コンサートの後に、ある方に「笑顔のサービスが足りない」と言われ、でも笑顔で演奏するなんてそれは音大生にとっては大 NGなことで、卒業したての私は「はい」と返事をしましたが、心の中では絶対無理!と思っていました。30代、4〜5年にわたってある大先輩とご一緒のお仕事をさせていただき、その時も「真魚さん、ステージの上では笑ってないとおかしいからちゃんと笑って!」とよく叱られました。お客様は楽しみにいらしているわけですから、コンクールでもない上に、よっぽど超絶技巧の職人技をご披露するならまだしも、それだって愛想のない演奏はお客様に喜んでいただけないものだと、今振り返って改めて思います。そして、20代30代の自分の演奏を視聴して、愛想がないと同時に、なんと自分勝手な思い入れたっぷりの演奏だったのかと省みます。今の私が当時の私にもし会えたら、言ってあげたいことが山盛りです。そんな反省とともに、まだ全ては未定ですが、今年もTHE PARTY voi.10に臨もうと母とお雛様にささやかな決意表明をしました。