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9月

本番

「暑さ寒さも彼岸まで」朝晩、だいぶ涼しくなってまいりました。この季節は毎年、自主企画であるコンサートの準備、スタジオMAWOご在籍の生徒の皆様の発表会の準備が始まり、あっという間に年末…という日々です。どちらも自分で決定して開催するものなので、2年前のコロナ禍初期の頃には、開催すべきかどうか大変悩みました。自主企画のコンサートは、もともと自分自身に課した挑戦(?)なので、止めることはいつでもできます。コロナ理由で一旦休もうかとも思いましたが、きっと一度休んだら自分の性格上、再開するのは続けるよりも困難だろうと容易に想像できるので、お客さまがいらっしゃらなくても、無観客でもとにかく続けようと思いました。おかげさまで、会場のコロナ対策(換気、客席を50%に)にも助けられ、ほぼ通常のコンサートを開催でき、共演者をはじめいらしてくださった皆さまにもただただ感謝の気持ちでいっぱいでした。おかげさまで年に1度のシリーズも今年は10回目となります。

一方、毎年秋開催のスタジオMAWOご在籍の皆さまの発表会「リトルコスモス」も、今年はおかげさまで33回となります。こちらは当初隔年で開催しておりましたので、足掛け40年近くになるでしょうか。保護者の皆様は先生は一体おいくつかしら?と思われるようで、よく小さな生徒さんに「先生、何歳?」と聞かれます。「あなたのママは何歳?」と逆に答えを聞いて「あなたのママが先生の娘でもおかしくないかも」というと、お子さんたちは大概ビックリされます。ビックリするのはむしろ私で、本当に生徒さんたちが自分の孫でもおかしくない年頃となったのだなあと、年月の経つ速さをしみじみ思います。リトルコスモスも2年前は開催を悩みましたが、検温、手指の消毒、小グループに分ける、グループ毎に換気、等々、考えられる限りの対策をして開催いたしました。おかげさまでコロナが原因で不参加の方は一人もいらっしゃらず、皆さま大変協力的に、また積極的にご参加くださいました。また会の全体を共有できるように、動画を後日プライベートYouTubeにアップし、ご参加の皆さまはもとより、遠方にご在住のご親戚の方々にも喜んでいただけたのは、思いがけないメリットでもあり、これからもプライベートYouTubeは続けていこうと思っているところです。

100日の稽古より1回の本番とは、昔の人はよく例えたと思います。練習がインプットなら本番はアウトプット、どちらもバランスよく続けていくことはとても大切なことと思います。本来私は人前で演奏することがとても苦手で、いまだに、できることなら避けて通りたいタイプです。学生時代は仮病を使って試演会を休んだこともあります(時効ですね)。でも社会に出て、いろいろな演奏の機会をいただくようになり、またたくさんの共演者とのご縁をいただき、本番の積み重ねによって、大げさではなく「もう一つ音大を出た」くらい多くの学びを得ました。本番でしか得られない宝物もたくさんあるのだと、身をもって知りました。自分の経験からも、小さなお子さまから大人の方まで、スタジオMAWOとご縁をいただいた皆さまには、もちろん強制ではないのですが、可能な限り発表会にもご出演されることを自信を持っておすすめするところです。

これからも音楽に関わる全ての歩を止めず、ゆっくり一歩一歩前進できるように活動してまいりたいと思います。