06
8月

音楽の宝物


 夏本番ですね。コロナ禍もまだまだ続き、外出時のマスクも辛い暑い暑い毎日、皆さまいかがお過ごしでいらっしゃいますか?私は例年にも増してマメな水分補給(ミネラルウォーター)を心がけています。

 さて、最近は今まで自分が出演したコンサート等のビデオを、Blu-rayにひたすらダビングしています。30年以上前のVHSやβ(!)、テープが劣化しないうちに…と始めましたが、古くは大学の卒業試験(公開)までさかのぼるので、かなり劣化しています。それにしても、本当に数えきれないほどのコンサート、弾いたことすら忘れたような曲の数々に我ながら驚いています。電子オルガンのお仕事もさせて頂いていたので、電子オルガンでのオーケストラ伴奏の仕事は特に、本当に数え切れません。オペラの伴奏、合唱の伴奏、コンチェルトの伴奏、お芝居の舞台の劇伴演奏、また何年も全国をツアーして回ったバンドメンバーとしての演奏etc。もちろんピアノの本番でも、ソリストとして頂いたコンサートや自らのリサイタル、また変わったところではテレビドラマの中でのピアノ演奏も何本かあり、本当に気の遠くなるようなビデオの本数です。資料や楽譜も少しずつ整理していかないとならない年齢(?)になって、ビデオもいつか…と思っていましたが、いよいよ「今でしょ!」という時期到来、という訳です。
 
 若かった頃の自分の演奏には「ちゃんと…音を聴いてる?」と言ってあげたいです。先生方に言われてきたことを、そのまま今の自分が言ってあげたい。弾けているつもりでいた自分が、ずいぶんと下駄をはかせてもらってたくさんのお仕事を頂いていたのだと、恥ずかしいような、申し訳ないような、ありがたいような気持ちです。たくさんの失敗やご迷惑をかけたこと、またひたすら己の力不足のために、夜ごと寝る時間を削ってアレンジや練習に辛い時間を重ねたことも思い返され、でも結果その何倍も何十倍ものことを学ばせて頂き、音楽の楽しさを知り、たくさんのお仲間に出会い、多くの恩恵を頂いたことを思い、ビデオを整理しながら、しみじみと感謝の気持ちが湧いてきました。実践の場でしか得られないものが確かにあること、
「一回の板の上(本番)は100時間の練習にも勝る」を改めて実感、痛感しています。
 
 生徒の皆さまも、コンクールや発表会の場というのは、本当に言葉では言い表せないほどのたくさんの気づきと学び、またたくさんの宝物が詰まっています。小さな会場から大きな会場まで、規模はさまざまですが、スタジオMAWOも細々と発表会を続けてまいりました。過去に、今年はやめようかと思った年も何度かありましたが、なんとか休まずに続けて今年は32回目となります。11月の発表会に向けて、コロナ禍ではありますが、工夫と対策を万全に臨み、皆さまと一緒に今年もたくさんの宝物を見つけたいと思います。