11
6月

導入期のテキストについて

自分のレッスン歴を振り返ると、赤いバイエル、黄色いバイエル、ブルグミュラー、ピアノのテクニック、ピアノのABC、バッハ小曲集、バッハインヴェンション、ハノン、ツェルニー、ソナチネアルバム、ソナタアルバム・・・とざっくり思い返しますが、今は幼稚園〜小学校低学年の導入期のテキストも、楽器店を訪れると本当にどれを選んでいいか迷うほど多種多様です。そんな中でも、今現在、私が取り入れているのは大きく分けて4つのシリーズがあります。特に読譜については、個々の生徒さんに力がつくように、そのシリーズの中から最もふさわしいテキストを、それぞれの生徒さんに合わせて慎重に選びます。なぜならある程度音感のいい生徒さんは、あるレベルまでは早くに弾けるようになるのですが、いざ次の少し複雑な楽譜を読む段階になると、驚くほど読譜力がないことに愕然とすることがままあるからです。音感だけで大人まで楽しめる人も稀にいるのですが、やはり読譜力がないと、必ず将来つまづきが出ます。ピアノ(音楽)は語学に似ていて、読む(読譜)、書く(譜面が書ける)、会話する(演奏する)の3点がバランス良く身に付く必要があります。またお子さんについては手指の成長も影響が大きく、あまりに小さい手のうちに無理にたくさん弾くようなトレーニングをすると、手指が曲がって成長したり、思うように弾けないジレンマからピアノを嫌いになってしまうこともあります。そのため特に小さいお子さんは、個人個人のご成長を慎重に見極めてレッスンすることが肝要です。お子さんは、昨日までできなかったことが今日突然できるようになったりと、大人の想像を超える可能性を持っていらっしゃいます。お一人お一人の成長に合ったレッスンがご提供できるのも、個人レッスンの大きなメリットかと思います。