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2月

お雛様

2月も半ばとなりました。そろそろスタジオMAWOもお雛様にお出ましいただく季節です。

 先日、母校の図書館に貸し出し依頼をしたところ、入試期間で休館とのこと、そうだ、2月は入試の季節だった!と思い出しました。約一週間にわたる高校受験に始まる母校の桐朋学園は少しユニークで、大学は「桐朋学園大学」ですが、高校の正式名称は「桐朋女子高等学校音楽科(共学)」という長いものです。男子学生は学生証に「女子校」とあることに、定期券を購入するときなど、いちいち説明をするのが大変なようでした。校名のように、高校は厳密にいうと大学の附属ではないのですが、実際には同じ校舎に高校・大学が共存(?)していて、高校も私服、お化粧の生徒がたくさん、髪を染めていたり(今なら珍しくないかもしれませんが)、誰が高校生で誰が大学生か、最初は全く区別がつかなかったものです。当然、先輩・後輩という区別もほとんどなく、高校の頃から上の学年の生徒を「先輩」と呼んだことはありませんでした。高校は1学年3クラス、地下にホームルームの教室があり(ドライエリアがあるので明るいです)、高校生のことを「もぐら」と呼んでいました。今は新校舎になってしまったので、もぐらとは言わないかもしれません。少し淋しい気もします。附属ではありませんが、高校の卒業試験が実質的に大学入試に相当し、ここをクリアすると大学に上がれます。高校・大学と通うと丸7年間。振り返ると、この7年間はお雛様どころではなく、レッスンや試験に追われて季節の変わり目も感じない日々で、生まれ変わったらもう一度行きたい学校かというと通い切る自信がありませんが(劣等生で苦労したので)、やっと今、母校が懐かしい心の故郷になってきました。あの場所に通った日々が、心から愛おしく思えます。それも今や新校舎で、心の中にのみある故郷になりました。